マグネシウム粉 (危) (100メッシュ全通品は危険物である)

マグネシウム粉は照明剤、フラッシュ剤等に使用されていたが、近年その燃焼特性が解明され、高温系の色火剤や過塩素酸アンモンと硫酸塩を用いた点滅剤等の燃料として使用されるようになった。

 マグネシウム粉の使用上の注意等

  1. マグネシウム粉はアルミニウム粉に比べ酸化しやすく、水と反応して分解し発熱する。過塩素酸アンモンと混合すると直ちに発熱する。これを使用する配合薬は、水を使用する糊剤を使わないように考えなければならない。保存中も大気中の水分に対し十分考慮しなければならない。
  2. マグネシウムの特性は1のとおりであるが、マグネシウムと過塩素酸アンモンの配合剤が色火系の点滅剤として使用されていることは先に述べた。この場合の固結剤は当然、硝化綿かセルロイド等水溶性ののり以外のものを用いるが、合剤に重クロム酸カリウムを5%程度添加することにより、その発熱反応を防止している。
  3. マグネシウム粉の炎は他の金属化合物の色炎によって着色される特徴がある。この特徴を利用した高温系色炎薬は、従来の塩素酸カリウム主剤の色炎薬に対し、約200倍の光度があるといわれている。
  4. マグネシウム粉の酸化防止は難しい。
    マグネシウム粉の酸化防止は、亜麻仁油で表面処理をする方法と、重クロム酸カリウム液の中にマグネシウム粉を漬け、煮ることにより表面処理する方法が有効とされている。
    亜麻仁油で処理する方法は相当有効であるが、処理を行う日数が相当長いので、ボイル油を使用して処理するのがよい。処理日数が4分の1になるようである。また重クロム酸カリウム液中で煮る方法は比較的処理しやすい。この処理済みのマグネシウム粉の弱点は、硝酸バリウム剤にはその効果がなくなるということである。この場合は、水のりを使用しないか、水のりを使用してもきわめて早く乾燥することを心がけるとよい。
  5. マグネシウム粉の感度
    マグネシウムは比較的軽い金属である。マグネシウムは昔から写真撮影用のフラッシュに使用されていた。粒度の細かいものはきわめて燃えやすいので注意が必要であるし、その燃え方は爆燃状態を呈する。
    また、マグネシウムの細粉を含有している合剤は、摩擦感度が相当に鋭敏であるといわれている。