製品安全データシート

製造者情報

 会社 ナカライテスク株式会社
 住所 京都市中京区二条通烏丸西入ル
 担当部署 製造部
 電話番号 075-932-1755
 FAX番号 075-932-4872
 作成 1998年10月13日
 改正 2001年5月29日

MSDS No.03226
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製品名 

 硫化アンチモン(Ⅲ)
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物質の特定

 単一製品・混合物の区別 : 単一製品
 化学名 : 硫化アンチモン(Ⅲ)
 成分及び含有量 : 90.0%以上
 化学式又は構造式 : Sb2S3
 官報公示整理番号 : 化審法;(1)-567
 安衛法 ; -
 CAS No. : 1345-04-6
 国連分類 : -
 国連番号 : -
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危険・有害性の分類

 分類の名称 : -

 危険性 : 本品は不燃性であるが、火災などで強熱されると酸化アンチモン(Ⅲ)の煙霧及び硫化水素ガスを発生する。煙霧及びガスは有毒なので注意する。

 有害性 : 皮膚,眼等に付着すると刺激を与え炎症を起こす。
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応急措置

 目に入った場合 : 直ちに清浄な水で15分間以上洗眼した後、速やかに眼科医の手当てを受ける。洗浄はまぶたを親指と人差し指で拡げ同時に眼をあらゆる方向に動かす。

 皮膚に付着した場合 : 直ちに汚染された衣服を脱ぎ、触れた部分を石けんで十分洗浄し、皮膚に炎症を生じた場合には、速やかに医師の手当てを受ける。

 吸入した場合 : 直ちに患者を空気の新鮮な場所に移し、毛布等で保温して安静にさせ、速やかに医師の手当てを受ける。呼吸困難又は呼吸が停止している場合には人工呼吸を行い、呼吸困難な場合には酸素吸入を行う。

 飲み込んだ場合 : 意識のある場合には、多量の水を飲ませて吐かせた後、速やかに医師の手当てを受ける。意識のない場合には、口から何も与えてはならないし、吐かせようとしてもいけない。
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火災時の措置

 消火方法 : 火元の燃焼源を断ち、適切な消火剤を用いて消火する。本品は不燃性であるが、火災時に強熱されると分解して有毒な酸化アンチモン(Ⅲ)の煙霧及び硫化水素ガスを発生するので、周辺火災の場合、速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、容器及び周囲に散水して冷却する。消火作業は風上から行い、必ず空気呼吸器その他の保護具を着用する。

 消火剤 : 炭酸ガス,泡,砂,粉末消火剤
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漏出時の措置

 飛散した場所の周辺に、ロープを張るなどして人の立ち入りを禁止する。
 飛散したものは、密閉式の空容器に出来るかぎり回収し、その後を多量の水で洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないように注意する。その際は、必ず保護具を着用し、風上から作業する。
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取扱い及び保管上の注意

 取扱い : 粉塵を吸い込んだり、皮膚,眼及び衣服に触れないように、適切な保護具を着用する。取扱い後は手洗い、洗顔を十分に行なう。火災などで強熱されると煙霧及びガスを発生する。煙霧及びガスは有毒なので注意する。

 保管 : 直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で、施錠可能な保管庫に保管する。
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暴露防止措置

 管理濃度 : 未設定
 許容濃度 : 日本産業衛生学会;0.1mg/m3(Sbとして)
 ACGIH ; TLV 0.5mg/m3(Sbとして)
 設備対策 : 屋内作業場での使用の場合は発生源の密閉化または局所排気装置を設置する。取扱い場所の近くに安全シャワー,手洗い,洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示する。
 保護具 : 空気呼吸器、防毒マスク、保護眼鏡、保護手袋、保護衣
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物理/化学的性質

 外観等 : 赤~黒色の結晶性粉末
 融点 : 546℃
 溶解度 : 水に難溶、塩酸,硫酸に溶け硫化水素を発生する。アルコール,エーテルに不溶。
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危険性情報(安定性・反応性)

 引火点 : -
 発火点 : -
 燃焼範囲 : -
 安定性・反応性 : 常温,密閉状態で安定。
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有害性情報

 皮膚腐食性 : データなし。
 刺激性(皮膚、眼) : 皮膚、眼、呼吸器に刺激作用がある。
 感作性 : データなし。
 急性毒性(50%致死量等を含む) : ヒトTCL0 0.58mg/m3/35W ・ マウスLD50 209mg/kg
 亜急性毒性 : データなし。
 慢性毒性 : 皮膚のかゆみ,化膿,結膜炎,歯肉出血,頭痛,貧血などの症状が現れる。
 がん原性 : データなし。
 変異原性(微生物、染色体異常) : データなし。
 生殖毒性 : データなし。
 催奇形性 : データなし。
 その他(水と反応して有害なガスを発生する等を含む) : デ-タなし。
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環境影響情報

 分解性 : データなし。
 蓄積性 : データなし。
 魚毒性 : データなし。
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廃棄上の注意

 セメントを用いて固化し、埋立て処分するか、又は許可を得た産業廃棄物処理業者に処理を委託する。
 毒物及び劇物の廃棄の方法に関する規準に従うこと。
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輸送上の注意

 運搬に際しては、容器の漏れのないことを確かめ、落下,転倒,損傷がないように積み込み、荷崩れ防止を確実に行う。
 その他、毒劇法等の法令の定めるところに従う。
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適用法令

 PRTR法 : 第一種指定物質
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その他
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*危険、有害性の評価は必ずしも十分ではありませんので、取り扱いには十分注意をお願いします。
*記載内容のうち、含有量、物理化学的性質の値は保証値ではありません。
*注意事項等については通常の取り扱いを対象としたものですので、特殊な取り扱いについては、こ
の点のご配慮をお願いします。