化学物質の爆発安全情報データベース

表3:国連勧告・危険物の分類と定義

分類及び区分 定義
クラス1 火薬類 火薬類とは、同体または液体あるいは混合物で、そのもの自体の化学反応により発生する高熱、高圧、高速のガスにより、周辺に損傷をおよぽすものをいい、煙火的効果を生ずる物質(ガスを発生しないものも含める)も本分類に含める。煙人的効果を生じる物質又は混合物とは、熱、光、音、ガスまたは煙、またはこれらの組み合せにより、その効果を生じるように意図されたものをいい、その化学反応は持続的な発熱反応で非爆発的なものである。爆発性物品とは、単一または複数の爆見物を含む物品をいう。
 区分1.1 物質又は物品で、一斉爆発の危険を有するもの(一斉爆発とは、爆発性物質全休が瞬間的に爆発することをいう)。
 区分1.2 物質又は物品で、噴射の危険はあるが、一斉爆発の危険がないもの
 区分1.3 物質又は物品で、火災の危険があり、かつ弱い爆風と弱い噴射の危険を有するが、一斉爆発の危険がないもの
 区分1.4 物質又は物品で、高い危険性を持たないもの
 区分1.5 感度が非常に低いが、一斉爆発の危険があるもの
 区分1.6 感度が極めて低く、一斉爆発の危険がないもの
クラス2 高圧ガス 高圧ガスとは、50℃で圧力300KPaを超える蒸気圧を待つ物質、または20℃で圧力101.3KPaで完全に気体となる物質で、次に褐げるものをいう。
 区分2.1
 引火性ガス
引火性ガスとは、20℃で圧力101.3KPaにおいて、空気と混合した場合の爆発限界の下限が13%以下のもの、または爆発限界の上限と下限の差が12 %以上のガスをいう。
 区分2.2
 不燃性ガス
 (非毒性のもの)
不燃性ガスとは、液化ガスまたは20℃で圧力 280KPa以上となる引火性ガスまたは毒性ガス以外のガス。
 区分2.3
 毒性ガス
毒性ガスとは人が吸入した場合に強い毒作用又は腐食作用を受けるガス
(LC50≦5000ml/m3)
クラス3 引火性液体 引火性液体とは、液状の物質、液体の混合物又は固体を溶解物又は懸濁物として含有する液体であって、密閉式引火点試験器による引火点が60.5℃(開放式試験器による場合は65.6℃)以下のものをいう。
クラス4.1
 加熱性固体
可燃性固体には、輸送中に遭遇する条件下で容易に着火し、又は摩擦により火災を引起す固体物質、または自己反応性又はそれに類する性状を有する物質で強い発熱反応を起し易い物質、及び十分に稀釈されていないと爆発する恐れのある鈍感化された爆発性のもの、などが含まれる。
クラス4.2
 自然発火性物質
自然発火生物質とは、輸送中に遭遇する条件下で自然発熱を起し易い物質、又は空気と接触すると発熱し、火災を起すような物質をいう。
クラス4.3
 水と接して可燃性ガスを発生する物質
水と接して可燃性ガスを発生する物質とは、水と接した場合に自然発火し易いもの、または可燃性ガスを危険な程度の量発生するものをいう。
クラス5.1
 酸化性物質
酸化性物質とは、容易に酸素を発生して、他の物質の燃焼を起し易くし、またはその燃焼を助長する物質をいい、必ずしもそれ自体は可燃性でなくとも良い。
クラス5.2
 有機過酸化物
有機物質で、2価の-O-O-構造を持っており、過酸化水素の誘導体と考えられる。この場合、その水素原子の1個又は2個を有機の基で置換されている物質である。有機過酸化物は熱的に不安定な物質であって、発熱性自己加速性分解を起すことがある。さらに次の性質のうち1つ以上を持っている可能性がある。
・爆発的分解を起し易い。 ・急速に燃焼する。 ・衝撃や摩擦に敏感である。
・他の物質と危険な反応を起す。 ・眼に損傷を与える。
クラス6.1
 毒物
毒物とは、摂取したり、吸入したり、皮膚に接触することにより、致死し、または人の健康に障害、危害を与えるような物質をいう。
クラス6.2
 病毒をうつしやすい物質
病毒をうつしやすい物質とは、入または動物に病毒をうつす、またはその恐れがあると知られ、或いは合理的に信ぜられるバクテリア、ウイルスなどの微生物を含有し、または付着している物質をいう。
クラス7
 放射性物質
放射性物質とは、その比放射性が70KBg/kg(0.002μCi/g)を超える物質と定義される。IAEAの放射性物質の安全輸送に関する国際規則(1985年動き)をそのまま採択する。
クラス8
 腐食性物質
腐良性物質とは、化学的作用により生物の組織に接触した場合に強い損傷を与え、また漏洩した場合には周辺の貨物や輸送手段を損傷または破壊し、もしくはその他の危険を起す物質をいう。
クラス9
 その他の危険性物質および物品
その他の危険性物質及び物品とは、輸送中呈する危険性が、他の危険性クラスでカバーされない性質を伴う物質及び物品をいう。このクラスには、輸送中また輸送申請時に液状のもので100℃以上、固体状のもので200℃以上の物質類が含まれる。