化学物質の爆発安全情報データベース

3 引火点測定試験

3.1 試験の目的

 本試験は、固体物品の引火の危険性を判断することを目的とする。

3.2 装置及び器具

  セタ密閉式引火点測定器

「Standard Test Methods for Flash Point of Liquids by Setaflash Closed-CupApparatus」
(ASTM D3278-1982)に規定するセタ密閉式引火点測定器又はこれに準ずるものとする。

セタ密閉式引火点測定器

試料カップ

3.3 試験場所

  試験場所は、大気圧下の無風に近い場所とする。

3.4 試験方法

(1)操作手順中の設定温度とは、試験物品が引火するか否かを確認する温度をいう。温度は任意に設定してよいが、あらかじめ予備試験を実施しておおよその引火点を確認し、設定温度とすると操作手順が簡略化できる。

(2)操作手順
  ア 引火しない最高温度の設定
  (ア)試料カッブを設定温度に加熱又は冷却する。
  (イ)設定温度になったら、試験物品2gを試料カップに入れ、速やかに底面全体に行き渡るように平にならし、ふた及び開閉器を閉じる。
    (注)設定温度が試験場所の温度より低い場合は、試験物品の温度を設定温度まで冷却すること。
  (ウ)試料カップの温度を5分間設定温度に保持する。
  (エ)試験炎を点火し、火炎の大きさを、直径が4mmとなるように調整する。
  (オ)5分間経過後、開閉器を作動して、2.5秒程度で試験炎を試料カッブにのぞかせ 、元に戻す。
    (注)試験炎を急激に上下させないこと。

開閉器を作動(開の状態)"

  (カ)(オ)における引火の有無により、設定温度を次のように上下させて、(ア)から(エ)までの操作を繰り返し、引火しない最高温度を確認する。
    ① 引火した場合は、温度を5℃下げる。
    ② 引火しない場合は、温度を5℃上げる。
  イ 引火点の測定
  (ア)アで設定した引火しない最高温度を設定温度とし、ア(ア)から(オ)までの操作を実施し引火しないことを確認する。
    (注)引火した場合は、アの操作手順に従い、再度設定しなおすこと。
  (イ)試料カップの温度を0.5℃間隔で上げ、5分間その温度を保持した後、ア(オ)と同様の操作で試験炎をのぞかせる。この操作を引火するまで繰り返す。
  (ウ)引火する温度の測定は2回実施し、その差が1℃を超えない場合は、その平均値をもって試験物品の引火点とする。
   (注)1℃を超えた場合は、その差が1℃を超えない2個の測定値が得られるまで測定を繰り返すこと。

3.5 結果の評価

  引火点が40℃未満のものを「引火性固体」とする。